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2008年10月

2008.10.01

拾い読み健康本⑫

◎拾い読み健康本 ⑫

「健康とてもいい話」(集英社文庫 石川恭三著)

 世を挙げて、健康ブームである。たぶんブームは定常化し、健康は私たちの暮らしのなかに根づくにちがいない。寿命が延び続けているのだから、いわば当然の帰結といえよう。
 それはさておき、今年から就寝前に、布団のなかで健康エッセーを読んでいる。本書は文庫だから、手にしやすい。サブタイトルにある「見たり聞いたり試したり」の健康話を四季ごとにつづっている。
 春の夜に、私が最初に拾い読みしたのは、「夏の章」の「どんな検査も一時の我慢、やらぬは一生の損」だった。
 というのは、大腸の内視鏡検査の予約を入れたからだ。私の胸の内を、著者はこう代弁してくれる。「大量の水と下剤を飲まなくてはならない。はっきり言って、これはかなり苦痛である。また、内視鏡検査では肛門から管や内視鏡を挿入するので、羞恥心も相当なものだと思う」
 自覚症状はないし、検便も異常がなかったので、正直なところ、予約を先に延ばそうかと思い始めていた。次の一文で決意は固まった。
 「今は年に一度、胃と大腸の内視鏡検査を受けることにしている。正直、こんな検査は受けたくないと毎回そう思うのだが、大腸がんで亡くなった人をこれまでに数多く見てきているので、年に一度くらいは辛さと羞恥心をぐっと我慢して検査を受けることにしている」
 ことほどに、内科医40年という著者の素顔が随所に現れる。とても親しみやすい。導入部に工夫が見られるのも、本書の特色だろう。たとえば「豆は大物」はこんな書き出しで始まる。
 ――「マメな人」「マメに働く」「マメに手紙を書く」「マメに暮らす」など、「まめ」には「真面目」「勤勉」「忠実」「息災」の意味がこめられている。そして、豆といえば大豆をさす。
 このあと「すべての栄養をカバーできる完全食」としての大豆の効用が解説される。
 メタボリックな人は「腹の脂肪は産業廃棄物」の項が必読だろう。ここは著者得意の「もじり警句」を記しておく。「肥満大敵、死(脂)の用心」(次回は11月上旬にアップ予定)

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