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2009.06.02

拾い読み健康本⑳

拾い読み健康本⑳
『健康・老化・寿命』(中公新書 黒木登志夫著)

 俗に3点セットは受け入れやすいといわれるが、本書のタイトルは私にとってそうだった。50年を越えて生きてきた者には、この三つは気になる言葉である。
 主な章に「寿命」「老化」「肥満」「糖尿病」「循環器疾患」「がん」「感染症」生活習慣」「別れ」が並ぶ。これでは難しそうだなと引けるもしれないが、実に面白く読める。その理由は、生と死をめぐる文学作品や映画の名場面をふんだんに取り入れているほか、著者の体験などエピソードが人間味にあふれているからだ。
 ちなみに著者は日本癌学会会長を務めた東大名誉教授、72歳である。がんと狭心症を体験をし、こう書いている。「がん研究者として、自分のがんをいつか発表したいと思っていた。顕微鏡で見ても、遺伝子から判断しても、転移、再発の心配もない早期の直腸がんである。こんなに早く見つけたなんて、まさにがん研究者の鑑ではなかろうか」
 次を読みたくなる見出しから、ここでは「女性はなぜ長生きするのか」に答えてもらおう。男性のほうが生活習慣上の問題も多いと指摘したうえで、ホルモンの違いに言及してくれる。男性ホルモンは悪玉コレストロールを増加させて善玉コレストロールを低下させるが、女性ホルモンはまったく逆だという。相手がホルモンでは女性に勝てない。私は合点した。
 長生きの記録保持者はもちろん女性で、フランス人のジャンヌ・カルマンさんという。123歳で亡くなった彼女を超えて生きた人は、これまでにいないそうである。(次回は7月上旬にアップ予定)

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