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2009.07.02

拾い読み健康本21

 拾い読み健康本21
『老筋力』(祥伝社 久野信彦著)

 医療に限らず、ほんとうだろうかと首をかしげても、なるほどと納得させるだけの裏付けがあれば合点できよう。本書がそうである。
 百歳を超えた高齢者でも筋肉トレーニングは可能であり、むしろ必要だと著者は主張する。長寿を全うした双子姉妹「きんさんぎんさん」の成田きんさんが実証したと聞けば、これは読みたくなる。
 本書によると、衣類が繊維で編まれているように、筋肉は細い筋繊維が集まってできている。古い衣類を引っ張ると破れるみたいに、高齢者の筋肉も切れやすいとみられ、当時の医療業界では高齢者の筋トレは禁止傾向にあった。しかし接骨院の院長である著者は、きんさんの筋トレを指導して成果をあげ、定説を覆した。
 そのとき、きんさんは足が弱り、家族に抱えられて来院した。「ぎんさんのように歩きたい」。この思いをかなえてあげようと、無理をしない筋トレを始める。効果は3カ月ほどで現れた。筋肉に張りが出てきて、自分で立てなかったきんさんが、ツエもつかずに院内を歩くことができたのだ。
 実は、きんさんは認知症も克服している。トレーニングを始めたころは運動回数を10まで数えるのが難しかったものの、脚力が回復してくると100まで間違いなく数えられるようになったというのだ。著者は書いている。〈自力歩行による血液循環の改善が、脳の活性化にいい影響を与えることが最近わかってきたのです〉
 不況の風に吹かれて、金力は衰えようとも、筋力が強ければちゃんと歩いていける。(次回は8月上旬にアップ予定)

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