拾い読み健康本25
拾い読み健康本25
『ササッとわかる検査数値と健康度』(講談社 北村聖著)
私は年初に、大腸や膵臓の腫瘍マーカー検査をしている。主治医に「異常なし」の判定をもらうと、今年も飲めるぞと勘違いをして、またしても生活習慣病と苦闘するはめになる。この繰り返しだ。
この際、検査数値を自分なりに理解しておこうと本書を手にした。東大教授の著者は、ポイントは3点だという。検査の意味を知る。検査結果をより正確に判断する。そして「行動変容」につなげる。つまり、検査結果を健康に生かそうということである。
私は「腫瘍マーカー」の項目をまず開いた。〈体の中にがん細胞があると血液の中に出てくる物質を、腫瘍マーカーといいます〉。さらに、こう指摘する。〈欠点は、「がんのときだけ」に上がる腫瘍マーカーがないことです〉
どうやら腫瘍マーカーは複合診断をするうえでの「助っ人」にすぎないようである。早い話、私は過信していたのだ。
〈がんの早期発見にいちばん役立つのは、患者さん自身の自覚症状です。せきや血痰が出る、疲れ、風邪が治りにくいなど、ちょっとでも体調が悪くなったら、医療機関にかかること。これが最大のポイントです〉
その程度であっても相談できる主治医を持ちなさい、ということだろうか。ともあれ本書は腫瘍マーカーの項目にかぎらず、あらゆる検査について、数字とイラストをまじえて詳細に解説してくれる。「尿検査」「血圧」「体重」など約30項目に及ぶ。私と同様に「検査病」にかかっているご同輩には、一読の価値があろう。
(毎日新聞大阪本社管内版に連載。「拾い読み健康本」は今回で終了します。12月上旬から「コラム」を連載します)
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